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GUNDAM AGE-1 NORMAL

Y256です。今回はSSです。

ネグザ第1弾スターターに収録されたカード<ガンダムAGE-1ノーマル>。
見たことが無い、あるいは嫌いという人も多かった「ガンダムAGE」を原作を持ちながらも、最新作として当然のように作り手からプッシュされたカードです。

いったいどれだけの人がこのカードを好きで使っていたのか、ということをちょっとだけ考えたのでSS風に書いてみました。


『01A/U VT001R』


 私を生んだ人は、私が祝福される紙片になると信じていた。
 綺麗な絵を書いてもらい、金箔の枠を纏って、私は箱にひとりの特別な紙片だった。

 しかし。外の世界に出るとどうだろう。
 透明外殻から覗く世界で、私は祝福されるどころか忌嫌われていることを知った。

 それでも、私の顔が嫌いでも、私の才能を欲しがった人はいくらでもいた。

 私を手にしたその人もそうだった。その人の手の中、同じ顔の同胞3人と出会った。
 嫌われていると知っていても、手に取ってくれた主に尽くそうと3人で決めた。

「嫌いだけど使ってる」
「勝つために仕方なく」

 そう言われ続けても、私たち3人は主のために貢献した。

 同じ顔の他の同胞と戦場で何度も出会った。
 あなたの主はあなたを好きですか?問うてみたが、ほとんどの同胞が私と同じ境遇だった。安堵した。

 ある時、とても幸せそうな同じ顔の同胞に出会った。
 その主は同胞を愛していた。毎週の活躍を楽しみにしていた。

 私はその同胞がうらやましく、今の自分のなんと情けないことかと思った。
 嫌気がさして、50の戦士の底のほうに潜る。
 けれども、同胞3人のうち誰かを主が手に取れば、私たちはその絆で表舞台に立ち、活躍することを強いられる。

 ほどなくして、戦場の空気が変わった。
 才能のある他の紙片が次々に現れて、私たちの才能は霞んだ。それでも私たちは主のために貢献した。

 ある日、私を生んだ人が、私を殺すための新しい紙片を生んだと知る。
 同じ主に仕える3人の同胞の絆は希薄になり、私は50の戦士に選ばれない日も増えた。

 そして私は、気づけば主のものではなくなっていた。
 数字の札を付けられて、沢山の同胞と一緒に暗い箱の中にいた。

 私を嫌う主のために働く必要はない、静かな場所。
 幾重にも重なる同じ顔の同胞は皆、私と同じ境遇だった。安堵した。
 同胞たちとここでひっそりと暮らしていこう。そう思った。誰に求められるわけでも、疎まれるわけでもなく、静かに。

 眠りにつく前に、ふとあの幸せそうな同胞のことを思い出した。
 あの同胞は、今でも愛してくれる主のために働いているだろうか。きっと働いているだろう。

 もし生まれるなら、そういう紙片に生まれたかった。


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Y256
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2012-06-27(Wed)
 

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塩じてん
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